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【受賞】第40回電気設備学会全国大会優秀発表賞

3人の学生が優秀発表賞を受賞しました

2022年9月1日~2日、大阪県吹田市の関西大学千里山キャンパスで行われた「2022年(第40回)電気設備学会全国大会」に機械電子工学科/専攻科 米盛研究室の学生13名が発表し、専攻科1年生の桜井 堅斗さん中村 修斗さん、機械電子工学科5年生の荒巻 匡洋さん(指導教員:米盛 弘信 准教授)が電気設備学会全国大会優秀発表賞を受賞しました。

受賞概要(学年は2022年度当時)

受賞論文 IHクッキングヒータ使用時の可聴域外騒音による脳波の変化
受賞者
桜井 堅斗 (専攻科 1年)
米盛 弘信 (機械電子工学科 准教授)
受賞名
電気設備学会全国大会 優秀発表賞
受賞日
2022年12月9日
論文要旨

近年、IH クッキングヒータ(以降、IH 調理器) は一般家庭に幅広く普及している。理由として、IH調理器は直火を一切使用せず、電磁誘導によって金属鍋を自己発熱させて調理を行うため、安全性が高い点があげられる。他にも天板が平面であるため、手入れがしやすい利点がある。しかし、IH調理器で鍋を加熱する際に約100dBという非常に高い音圧レベルを有した可聴域外の高周波騒音が発生し、人体に不快感を与えている事例が報告されている。高周波騒音は可聴域外であるため、本来であれば直接音として聞き取れない。しかし、約100dBの音圧レベルになると超音波暴露という現象により、脳や肌で高周波騒音を感じ取ってしまう。その結果、人によっては不快感を抱き、頭痛や吐き気などの症状を誘発させることが報告されている。本研究では、不快感の評価指標として生体信号の中でも脳波に注目する。そこで、簡易脳波測定器で脳波を測定してIH調理器が人体に与える不快感を定量化し、高周波騒音と脳波の関係を明らかにする。最終的には、IH調理器の超音波暴露問題により引き起こされる不快感の軽減・改善案の提案が目標である。

本実験では、IH調理器から発生している可聴域外の高周波騒音をスピーカから発し、被験者に暴露する。そして、可聴域外騒音を受聴した被験者の脳波を測定し、IH調理器から発生している高周波騒音が人間の脳波へ与える影響を明らかにする。

受賞論文 ハイブリッドPVモジュールにおける電源統合回路の試作
受賞者
中村 修斗 (専攻科 1年)
米盛 弘信 (機械電子工学科 准教授)
受賞名
電気設備学会全国大会 優秀発表賞
受賞日
2022年12月9日
論文要旨

PVモジュールは、高温化すると発電量が減少するという課題がある。実際に本校屋上に設置されているPVモジュールでは、2020年8月において、表面温度が最大で69.7 ℃まで上昇していた。先行研究では、PVモジュールの裏面温度25 ℃を基準とした際、温度が1 ℃上昇するごとに発電量は約0.44 %減少することが報告された。同問題に対して先行研究では,熱電変換素子を活用し、太陽光発電と熱電発電を同時に行うハイブリッドPVモジュールを提案した。そして、供試装置を製作し、熱電変換素子の特性測定を行った。また、発電効率の改善を目的として熱抵抗を減らすために熱電変換素子へ加える圧力を増加させた実験を行った。現在、PVモジュールと熱電変換素子の出力はそれぞれ独立しているため、1つの電源として扱うことができていない。そこで、DC-DCコンバータを使用して出力電圧を統一し、1つの電源として扱えるようにする。本稿では2つの発電要素の電力を統合する電源回路を提案する。

受賞論文 独立型交流電池における交流直接充電時の充電波形
受賞者
荒巻 匡洋 (5年 機械電子工学科)
米盛 弘信 (機械電子工学科 准教授)
受賞名
電気設備学会全国大会 優秀発表賞
受賞日
2022年12月9日
論文要旨

本研究室で2020年から共同研究を開始した世界初の独立型交流電池(AC Biode 社製)の基本は,電池セルを並列接続して電池パックを構成することにより、全セルに共通の電圧を印加することである。そのため、内部抵抗のばらつきによる充電バランスの偏りがなくなる。同電池は、外部信号によって負極と正極をスイッチで切り替えて交流的に使用する。また、従来の直流電池との明確な差別点は、Anode(負極)とCathode(正極)の間にBiodeというAC Biode 社が独自に開発した両性電極を配置しているため、交流電流による直接充電が可能なことである。そこで本研究室では、独立型交流電池に対しての理想的な充電方法を探求している。

本稿では、交流電池に対して交流直接充電を行った場合の充電波形について明らかにする。

メッセージ(学年は2022年度当時)

桜井 堅斗さん (専攻科 1年)

この度、2022年度(第40回)電気設備学会全国大会にて優秀発表賞を受賞させていただき、大変光栄に思うと同時に身の引き締まる思いです。ご指導いただいた米盛先生をはじめ、論文の添削をしていただいた産業応用研究室の先輩方や同輩たち、様々な刺激を与えてくれた後輩たちに対し、この場を借りて心より感謝を申し上げます。私はまだまだ成長途中で失敗も多いですが、今回の受賞を通して改めて得ることのできた研究への意欲を今後の研究活動に向け、来年度の専攻科卒業まで突き進んでいきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

中村 修斗さん (専攻科 1年)

この度、2022年(第40回)電気設備学会全国大会にて優秀発表賞を受賞させていただき、大変光栄であるとともにとてもうれしく思います。このような受賞の機会を頂きましたのは、ご指導いただいている米盛先生をはじめ、研究活動を行うにあたって多くのご協力を賜っているAC Biode社の皆様、日々遅くまで指導してくださった産業応用研究室の先輩方、自分を支えてくれた同級生たちにお力添えいただいたおかげです。今後も、今回の受賞を励みとして、初心を忘れずに自分なりに努力して研究活動を継続していきます。

荒巻 匡洋さん (5年 機械電子工学科)

2022年(第40回)電気設備学会全国大会で発表した私の研究論文について、優秀発表賞を受賞させていただき、大変うれしく思うと同時に身の引き締まる思いです。ご指導いただいた米盛先生をはじめ、研究に協力していただいた産業応用研究室の先輩方や同輩たち、新たな気づきを与えてくれた後輩たちに対し、この場を借りて心より感謝を申し上げます。今回の受賞を励みとして、さらなる改善に向けた努力をしていきたいと考えています。今後ともよろしくお願いします。

機械電子工学科 米盛 弘信准教授

このたび、本研究室から3名の学生が「全国大会優秀発表賞」を受賞し、指導教員として大変嬉しく思います。桜井くんの研究は、IH調理器を使用中に発生する動作音によって不快感を生じる現象を脳波の変化で捉えようというものであり、広く普及しているIH調理器を改善する一助になるものです。中村くんの研究は、再生可能エネルギーとして普及している太陽光発電と温度差があれば発電可能な熱電発電を組み合わせたシステムの提案であり、エネルギー問題を解決するためのテーマになります。荒巻くんの研究は、AC Biode社と産学連携で推進しているテーマであり、急速に普及している小型モビリティや各種ロボットの動作時間を伸ばすための技術になります。本研究室では、これらの身近な課題に対して学生と教員が一緒になって実験ベースで研究に取り組んでいます。これからも社会に貢献できるように学生共々がんばってまいりますので、よろしくお願いいたします。

賞状

  • 桜井さんの賞状
  • 中村さんの賞状
  • 荒巻さんの賞状

大会概要

名称
第40回電気設備学会全国大会
会期
2022年9月1日(木)~9月2日(金)
会場
関西大学千里山キャンパス(大阪県吹田市)
主催
一般社団法人 電気設備学会
サレジオ高専
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