【報告】カリタス・ドン・ボスコ・スクールとの国際交流2022
フィリピンの生徒が来日し、モノづくり短期講座を通して交流しました
サレジオ高専では、2023年2月23日(木)~3月4日(土)の10日間、2022年度「国際青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプログラム)」に採択していただき、ロボット関連教育と技術修得講座を実施しました。[*1] 本プログラムでは、フィリピンにあるサレジアンファミリーが運営するカリタス・ドン・ボスコ・スクール(CBDS:Caritas Don Bosco School)の生徒10名と先生1名を招聘し、モノづくりに関する短期講座を行いました。題材は、本校機械電子工学科で実施している自律制御ロボット「落ちない君」をベースとし、電子回路の基板製作からマイコンのプログラミング、および機械実習としてアーク溶接まで幅広い内容のモノづくり講習を行いました。特にロボットの製作においては、PDCAサイクルを意識し、製作だけではなく改善作業までの一連の活動を体得することを目的としました。
フィリピンの生徒は、初めて行う教育内容に大きな興味をもって非常に真剣な眼差しで受講していました。実習中は、タガログ語・英語・日本語が混じり合い、相手に意思を伝えようと工夫する姿勢が見受けられ、日本・フィリピン双方の学生にWin-Winの関係が築けて非常に活発な技術交流になりました。
実施内容
2月23日(木)~2月24日(金)@1~2日目
初日は、羽田空港で合流して町田のホテルへ向かい、チェックイン後にフィリピンの生徒と本校学生で夕食を食べました。2日目は、サレジオ高専にて両校の学校紹介、自己紹介を英語で行い、校内施設見学(無響音室、電波暗室他)の後、秋葉原へ部品等の買い出しツアーへ行きました。その後、近くの浅草寺・雷門、東京スカイツリーを見学しました。
2月25日(土)~2月27日(月)@3~5日目
3日目からいよいよ自律制御ロボットの製作に入ります。同日は、ロボットに使用する電子回路基板を製作しました。基板のエッチングから初めてボール盤による穴あけ、部品のはんだ付けを行いました。4日目も引き続き、はんだ付けを行い、終わった順に次工程へ進みました。次工程は、ギヤボックスの組み立てと基板間を接続するケーブルコネクタの製作です。ケーブルコネクタの圧着作業は、非常に細かいため苦労しながら作業を進めました。5日目も前日に引き続き、ケーブルコネクタの圧着作業に取り組みました。そして、ケーブルコネクタが完成した生徒からロボットの組み立てを行いました。
2月28日(火)~3月2日(木)@6~8日目
6日目はマイコンのプログラミングを行うために、各自のロボットをどのように動かすか各自で考えてもらうことからスタートしました。そして、各自でマイコンのプログラミングを行い、試走を行いました。7日目は、PDCAサイクルを意識して競技フィールドで試走を繰り返し、早くゴールへ到達できるロボットを作るべく改良を行い続けました。そして、ロボットの動作が安定した生徒からロボットの外装設計と製作を行いました。8日目は、午前中にアーク溶接体験を行いました。この体験では、突合せ溶接によってオリジナルキーホルダを製作しながら溶接技術や安全衛生を学びました。午後は、各自が製作したロボットを使用したミニロボコン(トーナメント試合)を行いました。試合は、絶叫と歓喜が入り混じった雰囲気で非常に盛り上がりました。
3月3日(金)~3月4日(土)@9~10日目
9日目は、午前中に実習生が今回の実習で学んだことをパワーポイントにまとめる作業を行いました。昼食はさよならパーティとして、お寿司等の日本食をたくさん食べてもらいながら、盛り上がりました。午後はさよならセレモニーとして、実習報告・試合結果の表彰等を行いました。10日目は、午前中にカップヌードルミュージアム横浜へ行き、日本が誇るインスタントラーメンの技術史を見学しました。その後、羽田空港へ移動し、別れを惜しみながら帰国していきました。
[*1]このプログラムについて
このプログラムは、2022年度JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)さくらサイエンスプログラムの採択を受けて実施しております。
サレジオ会 について
本校の経営母体であるサレジオ会は、全世界129カ国に小中高大2350 校の姉妹校があり、多くの協働者を得て、ドン・ボスコ(創立者の愛称)の教育理念「予防教育法」のもとに、青少年の教育に従事しています。また、サレジアンファミリーとして姉妹修道会のサレジアン・シスターズ「扶助者聖母会」と「イエスのカリタス修道女会」があり、それぞれ日本を始め、世界の各地で学校、福祉施設、幼稚園を経営し、女子の教育・ケア等にあたっています。