【受賞】第4回電気設備学会学生研究発表会
優秀賞と準優秀賞を受賞しました
2022年12月26日、東京都八王子市の八王子市学園都市センターで行われた「2022年(第4回)電気設備学会学生研究発表会」で機械電子工学科/専攻科 米盛研究室の学生14名が発表し、専攻科2年生の安藤 貴之さんが優秀賞、専攻科2年生の津田 浩平さん、専攻科1年生の桜井 堅斗さん、機械電子工学科5年生の荒井 直也さん、荒巻 匡洋さん、室賀 洪太さん(指導教員:米盛 弘信 准教授)が準優秀賞を受賞しました。
受賞概要(学年は2022年度当時)
受賞論文 太陽光発電と温度差発電を組み合わせた発電システムの発電特性
- 受賞者
- 安藤 貴之 (専攻科 2年)
- 米盛 弘信 (機械電子工学科 准教授)
- 受賞名
- 電気設備学会学生研究発表会 優秀賞
- 受賞日
- 2023年1月12日
- 論文要旨
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近年、温室効果ガスによる地球温暖化が問題となっている。そのため、発電時に温室効果ガスの排出がない太陽光発電の需要が拡大している。しかし、太陽光発電は、太陽光の輻射熱によって太陽電池モジュール(以下:PV)が高温になった際、発電効率が低下する問題がある。先行研究では、同問題を解決するためにPVと熱電変換素子、およびヒートシンク(以下:HS)を組み合わせた「ハイブリッドPVモジュール」(以下:HPV)を製作した。しかし、熱電変換素子への伝熱が不十分であり、温度差発電の理想的な発電電力に対して実測値が低い結果であった。そのため、HPVの模擬装置を用いて熱電変換素子への伝熱改善を行った。
本稿では、今までで行った最良の伝熱改善法をHPVに組み込んだ際の太陽光発電、および温度差発電の発電電力を調査する。
受賞論文 交流電池に接続する倍電圧整流回路の改善案
- 受賞者
- 津田 浩平 (専攻科 1年)
- 米盛 弘信 (機械電子工学科 准教授)
- 受賞名
- 電気設備学会学生研究発表会 準優秀賞
- 受賞日
- 2023年1月12日
- 論文要旨
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一般的なリチウムイオン電池パックは、複数の電池セルを直列接続して大容量電池を構成している。しかし、電池パック内の温度上昇等によって電池セルは劣化し、内部抵抗が高くなることが知られている。本研究室と共同研究しているAC Biode社は、安全性と小型化・高効率化を目指した交流電池を開発した。本研究室では交流電池の評価、および交流電池に接続する昇圧回路の開発を行っている。
本稿では、交流電池に接続する倍電圧整流回路の改良後の動作特性、および電力変換効率を明らかにする。
受賞論文 IHクッキングヒータから発生する可聴領域外騒音による脳波の変化
- 受賞者
- 桜井 堅斗 (専攻科 1年)
- 米盛 弘信 (機械電子工学科 准教授)
- 受賞名
- 電気設備学会学生研究発表会 準優秀賞
- 受賞日
- 2023年1月12日
- 論文要旨
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近年、IHクッキングヒータ(以降、IH調理器)は一般家庭に幅広く普及している。理由として、直火を一切使用せず、電磁誘導によって金属鍋を自己発熱させて調理を行うため、安全性が高い点があげられる。他にも天板が平面であるため、手入れがしやすい利点がある。しかし、IH調理器で鍋を加熱する際に約100dBという非常に高い音圧レベルを有した高周波騒音が発生し、人体に不快感を与えている事例が報告されている。高周波騒音は可聴域外であるため、通常であれば直接音として聞き取れない。しかし、約100dBの音圧レベルになると超音波曝露という現象により、脳や肌で高周波騒音を感じ取ってしまう。その結果、人によっては不快感を抱き、頭痛や吐き気などの症状を誘発させることが報告されている。本研究では、不快感の評価指標として生体信号の中でも脳波に注目する。そこで、簡易脳波測定器を用いてIH調理器が人体に与える不快感を定量化し、高周波騒音と脳波の関係を明らかにする。最終的には、IH調理器の超音波曝露問題により引き起こされる不快感の軽減法および改善法の提案が目標である。
本実験では、IH調理器から発生している可聴域外の高周波騒音をスピーカから発し、被験者に曝露する。そして、可聴域外騒音を曝露された被験者の脳波を測定し、IH調理器から発生している高周波騒音が人間の脳波へ与える影響を明らかにする。
受賞論文 家庭用太陽光追尾システム構築のためのシステム作成
- 受賞者
- 荒井 直也 (5年 機械電子工学科)
- 米盛 弘信 (機械電子工学科 准教授)
- 受賞名
- 電気設備学会学生研究発表会 準優秀賞
- 受賞日
- 2023年1月12日
- 論文要旨
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近年、再生可能エネルギーが注目されている。再生可能エネルギーの中でも、太陽光発電は日本国内の家庭において、広く普及している。さらに太陽光発電の発電量を増加させるために、増設を進めるだけでなく、発電効率のさらなる改善を求め、様々な方法が模索されている。その中に太陽光追尾システムがある。太陽光追尾システムとは、シリコン系太陽光パネル(以降、PVモジュール)に照射する光の角度で発電量が変わることに着目し、太陽が動いても垂直に光が入射するように、PVモジュールの設置角度を可動する発電システムである。現状の太陽光追尾システムでは、太陽光を追従するためにPVモジュールの角度を変えると、風や雨によって回転軸部分に負荷が集中すると予想される。そのため、台風などによって太陽追尾システムが破損する恐れがある。
本研究では、風などの外部要因の影響を考慮した、より発電効率が高い太陽光追尾システムの構築を目的とする。先行実験では、PVモジュールを垂直1軸で追尾した場合に2軸可動式と同様の高い発電電力が得られた。そして、垂直1軸のモデルを製作した。
本稿では、実際に光源を追尾させるシステムを構築する。追尾ありから追尾なしの発電電力を引いた値が改善電力となることから、追尾システムによる発電電力の改善電力を明らかにする。
受賞論文 疑似的な交流電池に対して交流直接充電を行った際の充放電特性
- 受賞者
- 荒巻 匡洋 (5年 機械電子工学科)
- 米盛 弘信 (機械電子工学科 准教授)
- 受賞名
- 電気設備学会学生研究発表会 準優秀賞
- 受賞日
- 2023年1月12日
- 論文要旨
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本研究室では、世界初の独立型交流電池(AC Biode 社製)に関する共同研究を2020年から開始した。筆者らは共同研究の一部として交流電池の理想的な充電方法を模索しており、先行研究では交流電池に対して交流直接充電を行った際の充電波形および、既存のリチウムイオン電池の充電法である直流変換充電を行い、充電後の電池放電実験することで、充放電特性を比較する。
受賞論文 移動体を対象とした中継コイル方式非接触給電システムにおける連続走行時特性
- 受賞者
- 室賀 洪太 (5年 機械電子工学科)
- 米盛 弘信 (機械電子工学科 准教授)
- 受賞名
- 電気設備学会学生研究発表会 準優秀賞
- 受賞日
- 2023年1月12日
- 論文要旨
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電気自動車が普及するにあたり、走行中に電池切れが生じる可能性がある。しかし、バッテリーの充電には長い時間がかかり、急速充電なども電池の寿命を縮めるという課題がある。また、車に大容量のバッテリーを積載すると重量が増加し、電費が低下してしまう。そのため、走行中給電道路という構想が世界で浮上している。これは、道路の下に電極版やコイルを設置することで、走行中の電気自動車に非接触で給電を行うというものである。また、数ある非接触給電方式の中でも近年注目されているのが、LC共振を利用した磁界共鳴と呼ばれる給電方法である。さらに、磁界共鳴を用いた給電方式の中には、複数のコイルを用いて給電を行う「中継コイル方式」がある。本方式は、低コストで施工性に優れる一方、コイル同士の結合係数が小さく、受電電力が低いという課題がある。
本実験では、磁界共鳴かつ中継コイル方式を採用した模擬実験装置を用いて、移動体の連続走行時における送電特性を調査する。
賞状
大会概要
- 名称
- 第4回電気設備学会学生研究発表会
- 期日
- 2022年12月26日(月)
- 会場
- 八王子市学園都市センター ※ハイブリッド開催
- 主催
- 一般社団法人 電気設備学会